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バングラデシュ視察ツアー報告 Vol.2

2012/05/01 その他

3月に実施した今回の「バングラデシュ視察ツアー」では、概ね以下の行程で現地を見て回りました。

・JETRO、バングラデシュ縫製メーカー輸出業協会(BGMEA)、検査機関でのブリーフィング
・縫製メーカーの製造現場を視察
・縫製メーカーとの商談会

全体を通して一番強く感じたことは、バングラデシュが日本のマーケットをかなり強く意識しているということです。

バングラデシュは縫製品の輸出が国全体の輸出額の7-8割を占めるほどのメイン産業ですが、その多くは欧米に輸出されています。しかし昨今のヨーロッパの経済状態の悪化により、ヨーロッパからの注文が減少したため、新たなマーケットとして日本を捉え始めているようです。そのようなことはバングラデシュのメーカーは口にこそ出しませんが、数年前までは発注ロットに対して一切日本側の要望に耳を傾けてこなかったのが「小ロットでも対応します」と随分対応が変わってきていました。

バングラデシュが日本のマーケットに意識を向け始めたとしても問題なのは品質です。欧米からの注文が多かった製造現場では、品質管理においても「欧米スタイル」に馴染んでいます。「欧米スタイル」とは「日本スタイル」のように各行程で細かく品質をチェックせず、一気にそして大量に商品の製造を流して、質よりも量をこなしていくスタイルを言います。バングラデシュで縫製メーカー最大の業界団体であるBGMEAに表敬訪問した際に、同協会の幹部がこれから「日本スタイル」を学んで日本の要望に沿えるようにしていく必要がある、と彼ら自身も日本の求める品質管理体制が整っていない現状を理解していました。

20-30年前に中国で縫製品の委託生産がスタートした時も、日本の品質管理・品質基準を現地のメーカーに理解し、根付かせていくことに各社苦労されたと思います。その苦労の甲斐あって、現在の中国の生産体制がある訳ですが、バングラデシュも当時の中国と同じように一から日本の品質を理解し、根付かせていかないといけません。その労を惜しんではバングラデシュでの成功は難しいのではないかと思います。
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