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―革靴工場レポート－　第二回

　前回お伝えしたライン工場では紹介しきれませんでしたが、各工場には行動指針が必ず掲示され、工員が取るべき行動を皆が共有しています。我々の印象では、工員はとても真剣に作業に取り組んでおり、自分の担当するパートへの責任感を傍から感じるほど勤勉な動きを見せていました。

　以上、２回に渡りお送りしてきたバングラデシュレポート。

　最貧国と称されるバングラデシュで、これ程高い水準で品質管理がされており、法令遵守が行き届いた製造工程は、想像を越えるものでした。

　開発途上国とビジネスを始めていくには、インフラ、品質、納期、コミュニケーション等、様々な難局が出てくることと思います。１０−２０年程前、中国との取引が始まった頃、様々苦労された企業様は多いことでしょう。しかし、今や一大生産拠点、あるいは消費大国として成長を遂げた中国のように、これからバングラデシュとのビジネスをともに育成していく心構えで、取り組んでいけたらと思います。我々が滞在中も多数、欧米企業関係と思われる訪問者をみかけました。滞在中の現地新聞でも、いかにコストを下げるかよりも、まずは安定供給を目指し、工員の賃金を上げるよう提言するアメリカの有名アパレルメーカーが取り上げられており、今後世界の製造拠点としてバングラデシュがいかに期待されているかが分かります。今回の工場訪問で、予想を良い意味で裏切る品質の高さを目にし、これからのバングラデシュの可能性の高さを確信するものとなりました。