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広州交易会レポート 2013年春

2013/04/30 お知らせ

 今年も行ってきました、広州交易会!但し今年は今までとはちょっと様子が違うように感じました。何が違ったかと言うと、明らかに日本人バイヤーが少ないということです。

 4月と10月の年2回開催される広州交易会は、日本の企業にとって新たな仕入先を開拓するビッグイベントでした。ところが、最近はそうでも無くなってしまったのか明らかに日本人バイヤーが会場から減ってしまったように感じました。

 私が考える限りではその理由として、

1)ここ数年の中国企業企業からのコストアップ要求が強いこと
2)アベノミクスによる円安で仕入れコストが割高になってしまうこと

の2点が考えられます。

 1)は、中国の人件費は上がったけども熟練労働者の確保が安定せず、品質の低下をもたらしてしまい、日本企業にとってかなり厳しい状況にあると聞いております。

 2)についてはどうしようもできないことかも知れませんが、海外からモノを仕入れる企業にとって、年末からたった3-4ヶ月で20-30%近くの円安は大きな影響があります。

 このように中国からの仕入れはかなり逆風の状況ではありますが、私は中国はまだまだ大きな存在感を示していると思います。そう考える理由は、中国の裾野の広さとこれまでの対日本ビジネスの経験が豊富であるということです。

 まず、中国の産業基盤は非常に充実しており、どのような産業分野でも資材の調達から製品の完成まで、ひと通り中国国内で事足りてしまいます。これが今注目されているASEAN諸国になるとそうは行きません。例えば折角日-ASEANのEPA協定があっても、原材料がASEAN域内で調達できないが故に中国から仕入れてASEAN諸国で加工してしまったら、ASEAN原産品として認められずEPA特恵が適用にならないことがあります。

 2)の為替の問題についてはどこから仕入れようと同じことなので、これは特別中国だけの問題ではありません。円安を理由に中国取引を躊躇する理由にはなりません。

 そうしてみると現時点では中国は日本との政治関係で非常に印象が悪いけども、色々な事情や背景を考えると一概に「中国からの輸入はメリットが無い」とは言えないのかもしれません。

 ただ単に時代の流れや雰囲気に流されるのではなく、自分自身の立場に立って考えれば、周りからは不利に思えることも有利に繋がることがあるはずです。もっと多面的に物事を捉えて海外取引を進めていきましょう!



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