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OFAC規制と米ドル決済

2013/08/10 世界情勢

 海外向けにドル決済をする場合、アメリカの「外国資産管理法(Foreign Assets ControlRefulation)」による規制があります。この「外国資産管理法」とは、アメリカ大統領が国家の安全保障を脅かすとして指定した国、法人などをリストに公表し、それらが保有する資産の凍結等について規定しています。担当する機関である米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Asset Control:OFAC)の名前から、この法律による規制を「OFAC規制」と呼んでいます。

 この「OFAC規制」で注意しておかないと行けない点があります。それは「OFAC規制」の対象国の中に最近注目を集めているミャンマーが含まれていることです。アパレル業界はチャイナプラスワンの動きを加速させて、最後のフロンティアと呼ばれているミャンマーとの取引を拡大しようとしています。そこで注意が必要なのが日本からミャンマーへの決済方法です。

 日本から海外に米ドルで決済する場合、基本的にアメリカの銀行を経由して受取人指定の海外口座に米ドルが振り込まれます。そのため送金先がミャンマーであったり、L/Cをの決済書類(B/Lの仕出港)にミャンマーが記載されていると、決済資金がアメリカの銀行で凍結されてしまいます。但しミャンマーは軍事政権が解かれて、民主化が進み始めていることから、他の規制対象国程厳しくはないようです。ミャンマーサイドから米国銀行に事情を説明する文書を提出すれば凍結されていた資金は解除されてミャンマーに振り込まれるようです。但し通常の決済より時間がかかることは事実です。

 仮に日本円で決済する場合、日本政府はミャンマーに対して何ら規制を敷いておりませんので、特別問題なく決済をすることが可能です。

 今後新たにミャンマーの会社と取引を始める際は、上記「OFAC規制」のことを考慮してどのような決済にしたらいいかをより慎重に検討しないといけません。
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